映画

映画備忘録[2012#ex. 1. 4. 8]【観賞一覧】

ああ、どうしよう。きみに伝えたいことは一杯あるんだけど、
言語化する能力が低くてちっとも追いつかない。

何かに似た感覚だと思ったらアレだ。
頭の中で伝えたい事がどんどん溢れてくるけど、口の動きが追いつかない。
このままじゃ相手に伝わる前に頭の中から抜け落ちちゃうって不安と焦り。

正直、自分の観た映画の良さを伝えたくて、
出来れば観て欲しくて書き始めた日記だけど、
このままじゃちっとも公開期間内に追いつかない。
家の中でDVDで『見る』のと、小屋の中で銀幕を『観る』のは、
作品との対峙の仕方という意味で明確に違う筈なのに、
それを伝えることが出来ないのがもどかしい。

だから、せめて妥協案として2012年に観た映画のタイトルを書き出して、
公式HPやAmazonのリンク先を貼ることで一旦お茶を濁させて欲しい。
感想文は文章書くペースが決して速くないので、出来る限りだけど後で書くから。

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[2012#01]『幕末太陽傳 デジタル修復版
[2012#02]『月姫系図
[2012#03]『新鞍馬天狗 五條坂の決闘
[2012#04]『トーキョードリフター
[2012#05]『アンダーグラウンド
[2012#06]『博徒ざむらい
[2012#07]『濡れ髪剣法
[2012#08]『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE
[2012#09]『無言歌
[2012#10]『サヴァイヴィングライフ -夢は第二の人生-
[2012#11]『傘の下
[2012#12]『ヒミズ
[2012#13]『NINIFUNI FULL VOLUME ver.
[2012#14]『サウダーヂ
[2012#15]『ベルセルク黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵
[2012#16]『片腕マシンガール
[2012#17]『富江アンリミテッド
[2012#18]『電人ザボーガー
[2012#19]『恋する幼虫
[2012#20]『KOTOKO
[2012#21]『生きてるものはいないのか
[2012#22]『ニーチェの馬
[2012#23]『らもトリップ
[2012#24]『劇場版 はらぺこヤマガミくん
[2012#25]『預言者
[2012#26]『デス・プルーフ
[2012#27]『キック・アス
[2012#28]『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
[2012#29]『エレファント
[2012#30]『ロックンロール・ハイスクール
[2012#31]『残虐全裸女収容所
[2012#32]『スペース・レイダース
[2012#33]『デスレース2000
[2012#34]『コーマン帝国
[2012#35]『SRサイタマノラッパー
[2012#36]『市民ケーン
[2012#37]『偉大なるアンバーソン家の人々
[2012#38]『SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー傷だらけのライム
[2012#39]『加地等がいた ―僕の歌を聴いとくれ―
[2012#40]『新しい戦争を始めよう』【MOOSIC LAB 2012-名古屋♫音楽と映画のはらわた編-
[2012#41]『Big boss』【MOOSIC LAB 2012-名古屋♫音楽と映画のはらわた編-
[2012#42]『Idle is dead』【MOOSIC LAB 2012-名古屋♫音楽と映画のはらわた編-
[2012#43]『ブルースブラザーズ
[2012#44]『home home home』【MOOSIC LAB 2012-名古屋♫音楽と映画のはらわた編-
[2012#45]『きたなくて、めんどうくさい、あなたに』【MOOSIC LAB 2012-名古屋♫音楽と映画のはらわた編-
[2012#46]『労働者階級の悪役』【MOOSIC LAB 2012-名古屋♫音楽と映画のはらわた編-
[2012#47]『サルベージ・マイス
[2012#48]『ベルセルク黄金時代篇Ⅱ ドルドレイ攻略
[2012#49]『ベルフラワー
[2012#50]『ピラニア リターンズ
[2012#51]『かぞくのくに
[2012#52]『桐島、部活やめるってよ
[2012#53]『ムカデ人間2
[2012#54]『用心棒
[2012#55]『鞍馬天狗 角兵衛獅子の巻
[2012#56]『先生を流産させる会
[2012#57]『鍵泥棒のメソッド
[2012#58]『こっぴどい猫
[2012#59]『聴こえる、ふりをしただけ
[2012#60]『夢売るふたり
[2012#61]『大奥〇秘物語』【第8回京都映画祭
[2012#62]『ジーンズ・ブルース 明日なき無頼派』【第8回京都映画祭
[2012#63]『唐獅子警察』【第8回京都映画祭
[2012#64]『鉄砲玉の美学』【第8回京都映画祭
[2012#65]『暴動・島根刑務所』【第8回京都映画祭
[2012#66]『色ごと師春団治』【第8回京都映画祭
[2012#67]『温泉こんにゃく芸者』【第8回京都映画祭
[2012#68]『シルクハットの大親分』【第8回京都映画祭
[2012#69]『大阪ど根性物語 どえらい奴』【第8回京都映画祭
[2012#70]『女番長 感化院脱走』【第8回京都映画祭
[2012#71]『狂った野獣』【第8回京都映画祭
[2012#72]『仁義なき戦い 広島死闘篇』【第8回京都映画祭
[2012#73]『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』【第8回京都映画祭
[2012#74]『くノ一忍法』【第8回京都映画祭
[2012#75]『あゝ同期の桜』【第8回京都映画祭
[2012#76]『日本暗殺秘録』【第8回京都映画祭
[2012#77]『木枯し紋次郎』【第8回京都映画祭
[2012#78]『股旅三人やくざ』【第8回京都映画祭
[2012#79]『893愚連隊』【第8回京都映画祭
[2012#80]『くそガキの告白
[2012#81]『廃棄少女』【牛乳ナイト デラックス
[2012#82]『牛乳王子』【牛乳ナイト デラックス
[2012#83]『お兄ちゃんに近づくな、ブスども!』【牛乳ナイト デラックス
[2012#84]『希望の国
[2012#85]『これは映画ではない
[2012#86]『ひとつの歌
[2012#87]『5windows
[2012#88]『Z109地区 ゾンビ包囲網
[2012#89]『ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド
[2012#90]『ヴィーナス・イン・エロス 天使たちの詩歌
[2012#91]『エクスペンダブルズ2
[2012#92]『犯された白衣
[2012#93]『壁の中の秘事
[2012#94]『処女ゲバゲバ
[2012#95]『ご近所UMAモロベエ』【ENBU CINEMA PROJECT
[2012#96]『あの女はやめとけ』【ENBU CINEMA PROJECT
[2012#97]『魔悪子が来る!!』【ENBU CINEMA PROJECT
[2012#98]『オチキ』【ENBU CINEMA PROJECT
[2012#99]『合衆国最後の日
[2012#100]『ドコニモイケナイ
[2012#101]『ロストパラダイス・イン・トーキョー
[2012#102]『胎児が密猟する時
[2012#103]『性賊 セックス・ジャック いろはにほへと
[2012#104]『狂走情死考
[2012#105]『ツクシのエロいい話
[2012#106]『サムライまつり
[2012#107]『正義の人』【MOOSIC LAB 2013 前夜祭
[2012#108]『倉庫内作業員の恋』【MOOSIC LAB 2013 前夜祭
[2012#109]『あの娘が海辺で踊ってる』【MOOSIC LAB 2013 前夜祭
[2012#110]『Her Res』【MOOSIC LAB 2013 前夜祭
[2012#111]『赤軍―P. F. L. P 世界戦争宣言
[2012#112]『天使の恍惚
[2012#113]『テロルの季節
[2012#114]『性輪廻 死にたい女
[2012#115]『われに撃つ用意あり
[2012#116]『寝盗られ宗介
[2012#117]『水のないプール
[2012#118]『若松流映画作法
[2012#119]『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
[2012#120]『レッツ・ロック・アゲイン!
[2012#121]『ストレイト・トゥ・ヘル
[2012#122]『ヱヴァンゲリヲン新・劇場版:Q


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『金出す以上はハズレの無い物を』ってポリシーだけど、
逆に言えば、『こんなモン面白いと思ってんのかよ』って言われるかも知れない。
でも、俺の主観では確信を持って言える。
『今年観た映画、全部面白いよ。ハズレは無いよ。』と。<一本分かってて地雷踏んでます。さてどれでしょう?
まあちょっと内容がヘヴィーだったり、R指定が入ったりしてるけど。
(今日び赤い血の一滴でも流れたらR-15とか付くけどね。)

ホントは映画だけじゃ無くて、観に行ったライヴとかの感想も書きたいんだけど、
一先ずこの辺で。

文章ってダラダラ長くなるのを避けるために、
言いたいことを全部ぶち撒けるんじゃなくて、
言いたいことを推敲重ねて、優先順位つけて『削る』作業なんだと思う。

だー!!放置してる間にドンドン溜まっていくよー!!ギニャー!!
んあー!無理ーーーー!全部書くのは無理ーーーーー!!
やりたいよーにやってくよー!!

暇に任せて観るも観たり122本!さて、どれのレビューが書けるのか…
観たその日にスパーンと小一時間ばかしで書き上げられるスキルがあればメシのタネになるんだけどね。

映画備忘録[2012#85]『これは映画ではない』

イランと言えばアッバス・キアロスタミなど優れた映画人を排出する一方で、
1979年のイラン革命以降イスラム的価値観に基づく宗教国家に転換すると共に、
様々な軋轢を抱えた国家である。

イラン映画界を代表する映画監督の一人として、ジャファール・パナヒがいる。
しかし、現在彼は映画を創ることができない。
2010年突如逮捕され、懲役6年、出国禁止、マスコミとの接触禁止、
そして20年の映画製作という映画監督としての死刑判決とも呼べるような刑事罰を科せられているからだ。
2009年の大統領選挙で対立候補を支持したからとの説がある。)

そんな彼が撮った協力者を介して、
イラン国外に密輸された75分のドキュメント映像。
よって、『これは映画ではない』。

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固定されたカメラの前でパナヒが朝飯を食う。
家族は実家の方に出かけて一人お留守番。
電話で弁護士と控訴審について話をするが、
流石に無罪放免ってのはムリっぽい。

電話で呼び出した友だちの映画監督、モジタバ・マルタマブスがやってくる。
映画の撮影が無理なら、政府の許可が降りなかった
映画の脚本でも読んでみたら?
自室の床をテープでバミって脚本を読みながら演技をするパナヒ。
別に稽古みたいなもんだし『これは映画ではない』。

パトカーのサイレンが鳴って何やら表が騒がしい。
とりあえず手持ちのi-Phoneでその様子を撮ってみる。
撮影用のカメラも良いけど、コイツでも何か撮れないか?

マルタマブスが帰るっていうんでカメラを置きっ放しにして
i-Phoneで動画撮りながらお見送り。
エレベーター前まできた時に偶然、一人の青年がやってくる。
管理人の義理の兄でゴミ回収のため各部屋を回ってる最中だという。
まあ折角なんでその回収作業を撮ってみるかと、
部屋の中からカメラを持ち出して、青年と話しながらエレベーターを降りていく。
地上に降りて外に出たカメラの捉える光景。

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我々には自由に感じ、自由に表現する権利がある。
それは与えられずとも勝ち取るべき性質のものであり、
仮にその権利に歯止めを掛けるのであれば、
周囲との兼ね合いや理性などに拠る当人の意志に拠るものであり、
何人たりともそれを強制することなんて絶対に出来やしない。

抜け道なんて視点を変えりゃ幾らでもあるぜwww



公式HP

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映画備忘録[2012#05]『アンダーグラウンド -デジタルリマスター版-』

かつて5つの民族が住み、4つの言語と3つの宗教を持ち、
2つの文字を用いた1つの国があった…

その国の名はユーゴスラビア。
1995年その国が引き裂かれ、血を流す渦中に作られ、
カンヌのパルム・ドールに輝いた、
半世紀にも渡る大河傑作劇がデジタルリマスターされて、
再度、銀幕に掛かった。

…ホントはね、去年の暮れに名古屋でもやってたんだけど、
体調悪くて観損ねて、ラストチャンスでやってた渋谷まで遠征したんだよ。

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舞台は1941年のベオグラードでのドンチャン騒ぎで幕を開ける。
ナチス・ドイツによる空爆が始まる中、
男は友や弟を含む一同を地下都市に匿い、
対ナチスのパルチザン活動のための武器製造を行わせる。

やがてナチスによる侵略は終わりを迎えるのだが、
男は地下の仲間達にそれを知らせない。
未だ闘争は継続中であると、毎日丁寧にサイレンとアナウンスで煽り、
武器を作らせ続け、地上に上げられた武器を転売することで、巨万の富を得る。

だが、やがてその偽りの地下都市にも孔が開く時がやって来る。
地下都市にて産まれた友の息子が結婚式を上げる当日、
ドンチャン騒ぎの中、製造された戦車の大砲が火を吹き、
友とその息子は『今こそ反撃の時』とばかりに勇躍外の世界へと駈け出していく。
弟は行方不明になった相方の猿を捜して地下通路を彷徨い歩く。
そして男は偽りの飾りが剥がれたことを悟り、地下都市そのものを爆破する。

1980年、この複雑なモザイク国家を一つに纏め上げていたカリスマ、
チトーが死去する。これを機に地上の国家でも民族の対立を装った
利害の対立が噴出し始める。

やがて地上の精神病院に入院させられていた弟は真実を知り、
舞い戻ったユーゴスラビアで尚も武器商として暗躍する兄と再開する。

後の景色は悲惨である。
昨日までの隣同士が『民族が違う』という理由だけで殺し合い、
弟は兄を死に物狂いで殴打し、友は男と知ること無く殺害を命じる。

友はかつての偽りの地下都市の残骸へと戻り、
息子の声に導かれるように井戸に身を投げる。
その先の楽園では皆が楽しげに再会し、楽団はドンチャン騒ぎを始める。

そして、その一団が乗った大地は陸から切り離され、何処ともなく彷徨ってゆく。

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例え、それが偽りだったとしても、故郷が破壊され四分五裂に切り裂かれていく。
それでいて尚、歌と笑いは決して忘れない。
その哀しみと意地に想いを馳せる時、胸が詰まるものがある。


ハッキリ言ってこの映画が最初に公開された時に、
講談社の用意したタダ券で見に行って、したり顔で
『セルビア人の肩を持ってるのが気にかかる』とか吐かして
原稿料貰ってた弘兼憲史は創作者としてどうこう以前に、
人間としての感性が欠如しているアホである。

現在の旧ユーゴスラビアは6つの国に分かれ、
自治州も区別すると8つにまで別れてしまった。
これで収まるのかも知れないが、実際にはサッカーの元代表選手が
未だ自分の故郷に足を踏み入れることさえできず、
ユーゴサッカー90年代を代表するファンタジスタ、
ストイコビッチの自宅に手榴弾が投げ込まれているのが現実である。

この物語は果てしなく続いていく、
願わくばそこに歌と笑みと喜びが絶えないことを…

公式HP

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映画備忘録[2012#04]『トーキョードリフター』

ホントはライヴ観に行った感想を先に書こうと思ったんだ。
けど、あの震災からまもなく一年を迎える中、
連日NHKスペシャルを見てたら、
コッチを先に書かなきゃって気になったんだ。

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2011年5月27日19:00 新宿。
雨の街頭に一人立ち『鴨川』を歌う前野健太
カメラのロングショットが捉える。
そこから約10時間。都内各地をバイクで移動して、
各地で歌う前野健太を撮す形であの夜の東京を記録していく。

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ドキュメンタリー作家・松江哲明と
ミュージシャン・前野健太との組み合わせというと
74分間吉祥寺の街をワンカットで歌い続ける
『ライブテープ』(2009年)が思い出される。
本作でも演出というか事前ロケハンで絵面を決めてという作為はあるのだが、
『ライブテープ』以上にそのままを記録しているという感が強い。

前野健太というフレームを使って切り取った、2011/5/27の夜の東京の光景。
節電ブーム時の東京の光景は、
オートフォーカスが露出を合わせた光が眩く感じるが、
間違いなく、それは灯りを落とした夜の闇が引き立たせるものなのだ。

昨年度の映画秘宝誌でのベスト10選出コメントでも感じたのだが、
松江哲明監督自体が、劇映画から決別して
ドキュメンタリストとしての個を確率していってるんだろうなという感が強い。
っていうか『遊びませんか?』って声かけられて、悪天候の中、
何時の映像使われるか分からんままに
10時間もライヴ時のテンションを維持し続けなければならなかった
前野健太にしてみりゃ『鬼か!?』って話だろうがwww

間違いなく、あの日、あの時、あの場所にしか無かった光景は、
この映画によって永久に保管される。

公式HP



トーキョードリフター
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セルフ・ドキュメンタリー ---映画監督・松江哲明ができるまで
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映画備忘録[2012#03]『新鞍馬天狗 五條坂の決闘』

#02から間が空いたのだが連チャンで観たのだよ。だよ。
市川雷蔵特集。『大雷蔵祭』の中の1作。

『鞍馬天狗』と言えばアラカンこと嵐寛寿郎の代名詞だが、
雷蔵でも撮っているのです。2本だけですが。
そして本作にて映画の鞍馬天狗は打ち止めと相成ります。

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時は幕末、京の都。
新撰組が待ち構える朝靄の中を颯爽と白馬に跨り駆け抜ける鞍馬天狗。
近々上洛する将軍に大政奉還を進言するとの噂も。
天狗を捕らえることができず歯噛みする京都所司代に文が届けられる。
曰く『金三千両にて、天狗の暗殺請け負います。 山』

山、即ち山嶽党。どこの馬の骨とも知れぬ輩に三千両…
と訝しがるところに続けて矢文。
その矢文の予告通り、目の前で小屋が大爆発!!

鞍馬天狗が杉作少年と住む吉兵衛の店に帰って来て
倉田典膳として一息ついてると、怪しい女が傘を一本求めて去ってゆく。

吉兵衛に女の尾行を頼み、天狗は薩摩屋敷に向かう。
過去の記録を調べていくと、幕府が輸入した火薬・武器弾薬が
強奪される事件があったらしい。山嶽党の手持ちの武器はこれかと…
一方、女は廃屋に入ると傘を残して忽然と姿を消していた。

さて、天狗が店に戻ると、吉兵衛が縛り上げられ、火薬が仕掛けられている!
何とか火薬入り火鉢を遠ざけて一難は逃れたものの、杉作が人質に取られてしまう。
山嶽党の罠が待ち構えている中、太刀とピストルで切り抜け、
謎の絵図を手に入れるものの銃撃を受けて杉作が傷を負ってしまう。
折りよく通りかかった浪人と共に残党を斬り伏せ、
彼の紹介した医者の元で杉作を療養させる天狗だが、
何せ京都所司代からの賞金首。

確実に杉作の元に現れる独占情報を持って、
所司代より金をせびる浪人・大前田逸蔵だが、
目論見を倉田典膳こと鞍馬天狗に見抜かれ、氏素性がバレて、
危機を感じる大前田に易者の老人が声をかける。
曰く『死相を除くのであれば山嶽党に入れ』と…

傷も癒え吉兵衛の店に帰って来た杉作。
そこに以前も現れた謎の女が扇子を一つ買い去ってゆく。
天狗のおじさんはいない、吉兵衛も食事の支度で席を外している。
逃してはならぬと単身、後を追う杉作。
勇気を振り絞り辿り着いた先は山嶽党のアジトであった!!
牢に捕らえられた杉作だが、そこは身軽な元・角兵衛獅子。
スルリと抜け出し断崖の崖を伝って逃走を図るものの
見張りに気付かれる絶体絶命のピンチ!!
そこに現れる鞍馬天狗のおじさん!!

そう、あの絵図はアジトの見取り図だったのだ!!

やがて、所司代に将軍が上洛のため江戸を経ったとの報が入る。
最早一刻の猶予も、手段を選ぶ余裕もない!
斯くして鞍馬天狗と山嶽党との決闘の時が来た!!

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白馬に跨り、ピストルと太刀でバッサバッサと敵を打ち倒し、
日本の夜明けに奔走するスーパーヒーローものな訳ですが、
銀幕一杯を使ったド迫力の構図もさる事ながら、
黒頭巾から覗く雷蔵の二重が映える。
やっぱり、これを以てしてもイメージを払拭しきれなかった
アラカンの鞍馬天狗も観てみたいところだが、
・ 戦時中にフィルムから銀を取り出すために供出。
・ 戦後占領期にチャンバラ禁止され焼却処分。
・ 何よりフィルムは消えモンで、単純娯楽は安く見られてた。
などなど、中々銀幕ではお目にかかれない。

Amazon漁ってみるとアラカンの方のDVDは何本か散見されるが、
雷蔵の新鞍馬天狗はVHSのみなのですな…

まあ流石に大映映画の権利は角川が管理してるので、
そう簡単にジャンクにするとかそういうのはないと思うのだが。

新鞍馬天狗~五條坂の決闘~ [VHS]
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鞍馬天狗 角兵衛獅子 [DVD]
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鞍馬天狗のおじさんは (ちくま文庫)
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