2012年02月

映画備忘録[2012#03]『新鞍馬天狗 五條坂の決闘』

#02から間が空いたのだが連チャンで観たのだよ。だよ。
市川雷蔵特集。『大雷蔵祭』の中の1作。

『鞍馬天狗』と言えばアラカンこと嵐寛寿郎の代名詞だが、
雷蔵でも撮っているのです。2本だけですが。
そして本作にて映画の鞍馬天狗は打ち止めと相成ります。

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時は幕末、京の都。
新撰組が待ち構える朝靄の中を颯爽と白馬に跨り駆け抜ける鞍馬天狗。
近々上洛する将軍に大政奉還を進言するとの噂も。
天狗を捕らえることができず歯噛みする京都所司代に文が届けられる。
曰く『金三千両にて、天狗の暗殺請け負います。 山』

山、即ち山嶽党。どこの馬の骨とも知れぬ輩に三千両…
と訝しがるところに続けて矢文。
その矢文の予告通り、目の前で小屋が大爆発!!

鞍馬天狗が杉作少年と住む吉兵衛の店に帰って来て
倉田典膳として一息ついてると、怪しい女が傘を一本求めて去ってゆく。

吉兵衛に女の尾行を頼み、天狗は薩摩屋敷に向かう。
過去の記録を調べていくと、幕府が輸入した火薬・武器弾薬が
強奪される事件があったらしい。山嶽党の手持ちの武器はこれかと…
一方、女は廃屋に入ると傘を残して忽然と姿を消していた。

さて、天狗が店に戻ると、吉兵衛が縛り上げられ、火薬が仕掛けられている!
何とか火薬入り火鉢を遠ざけて一難は逃れたものの、杉作が人質に取られてしまう。
山嶽党の罠が待ち構えている中、太刀とピストルで切り抜け、
謎の絵図を手に入れるものの銃撃を受けて杉作が傷を負ってしまう。
折りよく通りかかった浪人と共に残党を斬り伏せ、
彼の紹介した医者の元で杉作を療養させる天狗だが、
何せ京都所司代からの賞金首。

確実に杉作の元に現れる独占情報を持って、
所司代より金をせびる浪人・大前田逸蔵だが、
目論見を倉田典膳こと鞍馬天狗に見抜かれ、氏素性がバレて、
危機を感じる大前田に易者の老人が声をかける。
曰く『死相を除くのであれば山嶽党に入れ』と…

傷も癒え吉兵衛の店に帰って来た杉作。
そこに以前も現れた謎の女が扇子を一つ買い去ってゆく。
天狗のおじさんはいない、吉兵衛も食事の支度で席を外している。
逃してはならぬと単身、後を追う杉作。
勇気を振り絞り辿り着いた先は山嶽党のアジトであった!!
牢に捕らえられた杉作だが、そこは身軽な元・角兵衛獅子。
スルリと抜け出し断崖の崖を伝って逃走を図るものの
見張りに気付かれる絶体絶命のピンチ!!
そこに現れる鞍馬天狗のおじさん!!

そう、あの絵図はアジトの見取り図だったのだ!!

やがて、所司代に将軍が上洛のため江戸を経ったとの報が入る。
最早一刻の猶予も、手段を選ぶ余裕もない!
斯くして鞍馬天狗と山嶽党との決闘の時が来た!!

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白馬に跨り、ピストルと太刀でバッサバッサと敵を打ち倒し、
日本の夜明けに奔走するスーパーヒーローものな訳ですが、
銀幕一杯を使ったド迫力の構図もさる事ながら、
黒頭巾から覗く雷蔵の二重が映える。
やっぱり、これを以てしてもイメージを払拭しきれなかった
アラカンの鞍馬天狗も観てみたいところだが、
・ 戦時中にフィルムから銀を取り出すために供出。
・ 戦後占領期にチャンバラ禁止され焼却処分。
・ 何よりフィルムは消えモンで、単純娯楽は安く見られてた。
などなど、中々銀幕ではお目にかかれない。

Amazon漁ってみるとアラカンの方のDVDは何本か散見されるが、
雷蔵の新鞍馬天狗はVHSのみなのですな…

まあ流石に大映映画の権利は角川が管理してるので、
そう簡単にジャンクにするとかそういうのはないと思うのだが。

新鞍馬天狗~五條坂の決闘~ [VHS]
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鞍馬天狗 角兵衛獅子 [DVD]
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鞍馬天狗のおじさんは (ちくま文庫)
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2・11 DDTプロレスリング名古屋大会

昨日は名古屋・金山アスナルホールにて
DDT/スターダムの昼夜興行が行われていた。
特にスターダムに心惹かれるものがなかったので、DDT終了後、
パブで酒を飲み、鶴舞のスポルティーバアリーナに移って
終電まで飲んでいたのだが、DDTのメインイベントは
Ko-D無差別級選手権王者・男色ディーノvs挑戦者・アントーニオ本多
前哨戦第2ラウンド、
メンフィス・ラストマンスタンディング・ルーザーリーブタウンマッチ
ギブアップ、3カウントなしの完全KO決着、敗者は即日名古屋追放という
非常にアメリカ南部な香りが漂う過酷な殴り合い。
両者の交わすパンチの行間に溢れる程の思いが滲み出るアツい試合だった。

かつて、彼らはある表現者を軸として
プロレスリングの表舞台・裏舞台やら演劇やら漫画やら
当事者たちの喜怒哀楽まで
ありとあらゆる表現を盛り込んだ祭りを行なっていた。
その祭りはキーパーソンが家業を継ぎ、家庭を作るという、
極めて現実的な事情で一応の終焉を迎えたのだが、
彼はその終焉を未来への約束とすることで、
祭りが過去の青春の残滓として置き去りにされてしまうことから救った。

祭りの中、嘘か真か目指した場所、『日本武道館』。
今年、DDTプロレスリングが8月に日本武道館大会を行うに辺り、
一人の男は過去の感傷としてではなく、
今、DDTプロレスリングとして目指すためにある男と戦うことを望み、
もう一人の男は、相手の男への憧れと羨望と嫉妬と友情を確かめ、
乗り越える為にその男との戦いを受けた。
その戦いを見届けるGMもその祭りの『総合演出家』として共に遊んだ仲間だった。
そして、かつての祭りを眺めていた俺も半ば一緒になって遊んでいた仲間だった。
これだけの文章量を以っても語り尽くせない程、二人の男たちは雄弁に殴り合った。

2・19後楽園ホールKo-D無差別級王座戦。
そこで、それが決着した所で見えてくる風景とはいかなるものか…

写真は元・マッスル総合演出家にして現・DDTプロレスリングGM 鶴見亜門氏と。


2012年02月11日(土) 【2・11リポート】ディーノが殴りあって前哨戦連勝

映画備忘録[2012#02]『月姫系図』

ふと思う。備忘録書く以上にハイスパートで映画観てるのに、
現在公開中の映画に追いつくことが出来るのだろうか…
昨年45本映画観たが備忘録ほったらかしのもあるし…

イケマセンイケマセン。まずは目先の文章を書いて行きましょう。
イッツ・ポジティブ。
本年2本目と3本目は名駅西口・シネマスコーレで市川雷蔵特集。『大雷蔵祭』の2作。
(まあ同日に舞台挨拶あった
 『トーキョードリフター』観てるんで一日3本観とる訳だが…)

さて、1本目『月姫系図』

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甲州・甲斐の国、旗本水町三郎太の娘・雪絵が年に一度だけ、
月姫という能面を被った高貴なお方にお目通りに伺う。
雪絵が親からの言い付けで肌身離さず預かっている枝折には「風」の文字。
その帰り、雪絵は突如、忍びの者に襲われるが、浪人・桜井進太郎に救われる。
その進太郎の手の中の枝折には「山」の文字が…

かつて滅亡した甲斐・武田家再興の為の隠し財宝は
「風」「林」「火」「山」4本の枝折に在り処が記されているという。
「林」の枝折を持ち、財宝の独り占めを目論む金山奉行・大久保石見守。

4本の枝折が揃った時に指し示すものとは、その隠し財宝を手に入れる者は?
そして、月姫の正体とは?

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まあ謎解きのストーリーものなのだが、何よりも雷蔵演じる進太郎の殺陣。
ワンカット長回しで魅せるその鮮やかさに見惚れる。
(まあ実際には近眼で当てちゃうこともあった様ですが…)

カッコええですよ、市川雷蔵。

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…VHSとフィルムしか残って無いのですな。当作品。
ホントに後世に生き残ることは出来るのだろうか。

映画備忘録[2012#01]『幕末太陽傳 デジタル修復版』

一月も前の映画の感想書こうと思うと中々記憶を辿るのは面倒くさいですな。
…まあW. W. W. とパンフレットで何とかなるもんですが。

っちゅーことで本年一発目に観た映画はシネ・リーブル梅田にて観た
『幕末太陽傳 デジタル修復版』!
日活創立100周年(まあ幾時代かありまして…)を記念して、戦後映画再開3周年記念の名作をデジタル・リマスターして銀幕で観れるという贅沢。

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時は幕末、品川遊郭を舞台にした廓話。
相模屋の前で長州藩士・志道門多たちと毛唐どもが一悶着。
その際、門多が落とした懐中時計を拾った佐平次。
この佐平次、仲間を引き連れ相模屋に上がり込みドンチャン騒ぎの末に
支払いの段になって「金が無いから」と下働きとして行灯部屋に居残る始末。
…タチが悪いねぇ (^_^;)

で、タチが悪い客と言えば、おんなじ相模屋に
懐中時計をカタに支払いを先延ばしにしたまんま居座る高杉晋作。
ここに門多たちが入り浸って英国公使館の焼き討ちを目論む、
が、無論失敗は許されず、入念に計画を建てたい所だが公使館の見取り図もない。

この相模屋の中も、また色々ありまして、
女郎のこはるとおそめがライバル意識をむき出しにしてたり、
奉公人のおひさの親父が金に工面するあまり、娘を女郎に売ろうとしたり。

そんな中を口八丁手八丁で飄々と渡り歩くイノさんこと、居残り佐平次。
あちらこちらの問題を見事収めて見せるも、その咳きには暗い陰が…

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『居残り佐平次』『品川心中』『三枚起請』『文七元結』等々
古典落語(主に廓話)を元にして
見事に物語に仕立ててみせる川島雄三監督の名人芸。
石原裕次郎、小林旭、二谷英明、南田洋子、左幸子、芦川いづみ
といった日活オールスターの間を軽快に活き活きと縫うかの如く
活躍するフランキー堺。

今観ても色褪せること無い、実に愉快痛快な活劇。
元ネタや役者が分かって無くても十分楽しめるし、
コイツを元手に色々と調べて知識の枝を伸ばしていくのもまた楽し。

名作駄作の区別なく、後世に作品を伝えるのは
今を享受する我々の責務だと思うのですよ。
(良作がどうかの判断は観客が自らの主観に基づいてすれば良いだけの話です。)
2013年問題の荒波を全国各地のミニシアターが乗り越えられる様に、
皆様、是非あの手この手で劇場行って映画を観てくださいな。
TVで『ながら』見るのとはまた違った、
映画と一対一で取っ組み合う様な感情の動きがありますよ。
と平にお願い致します。

公式HP

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一発目の腕試し。

さて、年明け早々からblogをやってこうかとおもってたら
立春も過ぎてんでやんの…

さあ何書きましょうかね。
昨年はmixiの日記で観た映画の感想を書くということで、
一年持たせた訳だが、おんなじこと続けンのもおもンないな。
ってのと、極僅かな自己顕示欲の発露っちゅーことで、
今年は人様に見せれるような映画だのプロレスだのの
感想ぐらいはコッチに書いて、ホントに人様に見せ難い様なものは
mixi日記に上げようと思います。

基本仕組みをよく理解してないので、成り行き任せでやりながら学んで行きますが、
『俺がルールブックだ』ということで気に喰わないことがあったら、
唐突かつ無断に強硬措置を取るかも知れません。

まあ何卒、生暖かい目で見守って戴く様、宜しくお願い致します。
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